3日チンパンジー

3日坊主ならぬ、3日チンパンジーのブログです。また何日か後には一切更新されなくなるかもしれませんが、それもまたご愛嬌…。

ロープーパンチン

こんばんは。電車で本を読んでいるとウトウトしてしまうのは何故でしょう。睡眠時間は十分にとっているはずなのに。



気持ちを言葉にするのは怖いよ…と某バンドのボーカルは唄っていましたが、今日は自分にとって自分の原点を思い出すような1日になったのでそのことを書き綴ろうかと思います。



今日初めて会った生徒は高校3年生。受験を控えながらも、陸上に熱を注ぎ毎日汗を書いて頑張っている子です。



志望校はというと、都内にある外国語に強い私立文系の大学。その訳を問うと、

「英語がやりたい。今の時代は英語を使えなければいけないって言うし、海外にも留学したい。」

とその子は答えました。「ほう、随分と大人な考えだ。確かに、英語ができないと大学でさくらちゃんを怒らせ、泣かせ、挙句留年の危機になっちゃうからな…。」と思いました。



しかしその言葉に全く熱は感じられず「なんだその意識高い系のなんとなく留学だの世界一周うぇーいだの言ってる奴らの真似事は…。」と思ったのも事実。



自分から勉強をしたいと親に打ち明け、親も「このときを待っていた」と思いのスタート。それにしては理由が薄い。うっすい。コンドームじゃないんだから、薄さはいらないよと。



ちなみに、その子の成績はというと本人曰く「中学生の内容もよくわかっていない」と。別に良いんですよ今の学力なんて。過去に戻れるわけでもないし、これから頑張ればどうにだってなるんだから。



ちょっとカマをかけようと思い「じゃあ、今からそこに受かるためにはこれくらい勉強しないとね。」と「勉強」の文字で埋め尽くされたスケジュール表を見せると、本人は「うわぁ、こんなやるのか…」という顔でそれを見ていました。



そこで確信するわけです。この子は本気で英語が必要だとは思ってないし、留学したいなんて思ってない。むしろ、英語に興味さえあるのかどうかも危ういくらいなんだなぁと。



唐突に「あのさ、ちょっと話は戻るんだけれども、大学に入って、英語を学んで留学して。それで君は何をしようと思っているの?」と聞いてみるわけです。すると、彼の口からはAqua Timezもビックリしちゃうくらい素直な気持ちが発せられました。



「実は、陸上を大学でも続けようか迷っている。」



ですよね。小2から始めた陸上、今でも好きでやっているのにそれより英語が優先順位が高くなるわけがない。「本当は決まっているんじゃないの、それが不安なだけで。」と聞くと、

「本当は青学に入って陸上をやりたい。大学と言えば箱根駅伝。良い監督がいるところで、箱根駅伝に出たい。」

そう答えるわけです。良いじゃないですか、箱根駅伝。国民に新年早々感動を与えてくれるスポーツ界の大イベント。行きたいのはロンドンでもニューヨークでもなくて、箱根の山々なわけで。



そっからは話は早い。じゃあそのためには、部活も死ぬ気で打ち込んで、勉強も切り替えてやらなくてはいけない。先程のスケジュールを再度見せ「これもできるか」と聞くと「絶対にできます。やります。」と力強く答えてくれました。



仕事もそうだけれども、勉強も同じで内発的な強い動機がないとやらないしできない。「なんのために自分がそれをやるのか」が明確にイメージできているかどうかで、そこに懸ける想いって変わってくると思うし、それに伴って行動も変わると思うんです。



帰り際に、「あなたは自信に満ち溢れているね。きっと今までの人生で努力をした経験があるからだと思う」と言ってもらえました。



そりゃあ我々は「教育のプロ」ですから。自信を持っていないと、相手には何も伝わらない。それこそ、薄っぺらいものになってしまうから。



自分の人生を変えてくれた恩師のように、その子が変わるきっかけを与えられたかな…と帰るときに思いながら歩いていました。自分が教育者として何をしたいかを体現できた、そんな1日になりました。



ちなみに、このことを一言にまとめてそれまた恩師であるはるか嬢に伝えると「え」と返ってきました。気持ちを伝えることはできても、まだ言葉の使い方はチンパンのままみたいです。